昔のだ、って判ってはいるけれど、やっぱり気持ちが良くないのは事実で。
「可愛いね、晴子」
「!?」
彼はあわてて、私が見つけた写真を隠す。
彼が昔、大好きだった人、私の親友。可愛くて、優しくて、多分、高嶺の花。
「……」
あ、なんかきまずい空気。って私が作ったのか。
気にしないで良いのにな。もう私は気にしてないもん。
多分。
「綺麗になってきたね、部屋」
何とか話題をそらす。今は彼の部屋のお掃除を私が手伝ってるところだった。
「私、ゴミ捨ててくるね」
4袋にもなったゴミの2つを持って外へ出ようとする。
「燃えるゴミっす」
そう言って彼が差し出した写真。さっきの。
「………いいの?」
何聞いちゃってんの、私。可愛くない。
「駄目なんすか?」
ほんと可愛くない自分の顔が、彼の一言でさらに不細工になるのを必死で隠した。

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