あまりにも普通に、夢をみたので驚いた。
あまりにも普通に、夢の中で二人は手を繋いで祝福されていたのだ。
じりりりりり・・・・
時計が鳴る。想像以上に目は、頭は冴えていた。
だってだって、自分にまだ、そんな気持ちが残っていたなんて。
もうずっと前に、捨てて歩いてきたものだと思っていたから。
夢の中の笑顔が、現実のあたしを惑わせる。
それでも
ぶんぶんと頭を振れば、そんなものは簡単にとんでいくのだ。
この世で一番傷ついた(と思っている)女は
この世で一番強くなっていたのだから。
さあ、8時には部屋を出なくてはならない。
女の朝の準備は嵐と同義、
どこかの誰かの手のぬくもり等、思い出してる時間は無いのだ。
さあ、歯を磨かなくては。