「君を、こうやって見上げることになるのも良いものだな」
「何言ってんだよ。ばーか」
照れた顔も、こうして見ると新鮮。
「もう少し、こっちにおいで」
「な、何言ってんの?気持ち悪い」
何故かな、不思議な気分だ。
「風邪の症状だろ」
「んなわけないじゃん。エロジジイ」
君が嫌がらないのを知って、そっと口付ける。
「逃げるなら、今のうちだぞ」
勿論、逃げられるものなら。
「病人のくせに」
君は逃げない。
「肯定と受け取るぞ」
「勝手にしろ」
君を見上げるのも、おしまいの時間。
「病人のくせになあ」
そっちこそ、子供のくせに。