「あのーヴィンセントさん?」

「なんだ」

「近く、ありませんか?」

「顔を近付けずに、どうやって口付けするのだ」

「・・・・・するなよ」

「喋るな」

「ん!・・・・・・・むぅ」

「・・・・どんな気分だ?」

「どきどきしてます」

「ほう」

「怖くて」

「ほう」

「なんかこう、・・・狼に食べられる子羊ちゃんの気持ちが今よーく判るなあ。あはは・・・・・」

「めずらしく的を得た答えだな」

「あはは・・・・・・」

「では、その通りいただこう」

「!?」

「美味しく召し上がってやるから」

「ちょ、馬鹿!やめ・・・・!!」

「喋るな」

「!・・・・・むぅーー!」

 

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