「どうしても…手を繋がないと駄目か?」
「駄ー目。約束だろ?」
「………はあ」

私が悪いのは事実で、否定出来ない。

「恥ずかしいとは思わないのか?」
「あたしは17歳の乙女だぞ!街中をすきなひとと手繋いで歩くなんて夢じゃんか」

………普段は色恋なんかにまったく興味が無いくせに…

「何だよ」
「いや、別に。このまま何処へ行くつもりかな?」
「実は新しいマテリアがさ〜」

何が乙女だ。

「はあ…金なら無いからな」

手を繋ぎたがるなら、もっと色気のあることは言えないのか。

「えーーっ!?聞いてねえよ!」

あっても出すか。

「そんなことに利用されるくらいなら、私は遠慮する」

恥ずかしさと、呆れてしまったのとで、繋がった手を離す。

「あ!約束だろ!?」

わがまま娘に毎回付き合ってられない。

「ムカつく!自分ばっか良い思いして!」

昨夜のことが思い出される。

「言ってやる。クラウドとかティファとか、みんなに言ってやる。
ヴィンがやった酷いこと全部言ってや――わっ!」

さすがに、それは私が悪かったのだが。

「それ以上言ったら、どうなるかな」

自分でも、身勝手だとは判っているよ。

「―――むかつく!」

奔放な君といることで、人生にわがままを言いたくなってきたんだ。

「約束は守るさ」

それこそ、夜のわがままも

「マテリアは無理だが、菓子くらいなら」

叶うのが判っているわがままは、楽しくて

「許さない」

少し、性格が悪くなったかな

「では、私一人でいただこうかな」
「―――っ!もっと許さない!」

きっと君のがうつったんだろう。

「ほら!手!!約束だろ!?」

おそろいなら、悪くない。

 

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