さあ、どうしたものか。
彼女は今盗んだマテリアを隠し持っており、私は善意からそれを取り返そうとしているのだが。
「絶っ対持ってないね。証明してやるよ」
そう言って、いつもより薄着になった彼女を対面にして、私にどうしろというのだ。
「探してみやがれ」
はたして、何処に隠したものか。
と言っても、私がそれを彼女に近付いて探せるはずもなく。
「…判ったよ」
それは作戦でもなく、彼女の素なのだから余計困る。
17歳の少女が、とっていい行動ではないというのに。
「やりぃ!」
また、やられた。と私は顔をしかめるしかない。
これも甘やかす、という行為に含まれるのだろうか。
「ヴィンは甘いからな〜」
してやられた私の中の負けず嫌いな何処かが、彼女にいたずらを仕掛けようと目論んだ。
「それが通用するのも、あと少しだ」
「は?」
「20になっても、そんなことをするようなら、躊躇することなく、体の隅々まで探してやるからな」
果たして、それがただのイタズラか、本音か、
判るまで、あと3年。