10000回のスクワット、10000kmのランニング、
彼の出す、とんでも無い数字。
その数字が増える度、彼と私の距離もかさんでいくように思う。

彼は、別の世界のひとだ。

チームのエースとマネージャー。
代名詞だけなら、さぞロマンチックに展開していきそうなものだけれど、
実際は殆ど会話もしないし、何もかも自分で管理している彼にとっては、
マネージャーなんて存在は必要ないのだ。

グラウンドの片隅から、いつも彼を臨むだけ。

練習に明け暮れる彼、それは“光速の世界”

こんなとこでも距離をあさまれて
私にあるのは5本のスポーツ飲料と、今日何度目か判らないため息だけ。

ああ、
このため息が10000回になる頃には
少しは彼に近付けるでしょうか?

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